2024/08/06 01:00
大和当帰(大深当帰)はセリ科シシウド属の多年草。アンジェリカ。
精油(リグスチリド等)を含み、根は神農本草経の中品に収録され、
以来歴代の本草書に収載されている生薬です。
主に婦人薬として使用され、冷え性、血行障害、滋養強壮、鎮痛薬などの漢方薬「当帰」として処方されています。
当帰芍薬散などが有名です。
日本薬局方では大和当帰とホッカイトウキが専ら医薬品として収載されています。
大和当帰が品質がいいとされています。
名前の由来は当(まさ)に帰るで「女性本来の身体に帰る」から来ています。
これに伴い中国の故事には婦人病の妻がトウキ(カラトウキ)を飲んで全快し
他の女性のところに行っていた夫に「当(まさ)に我が元に帰るべし」と伝えたと言われています。
葉は2012年(平成24年)に葉の部分が「非医」扱いとなったことから、
有効利用が注目されるようになってきました。
当帰は栽培に手間がかかるため、奈良、和歌山両県境にわずかに栽培されているだけでしたが、
現在栽培拡大に向け、奈良県全体で取り組まれています。
葉は、深い緑色が鮮やかで、セロリのような香りが特長です。
葉を料理のアクセントや香り付けの用途で活用する動きが広がっており、
葉を使ったお茶や天ぷら、ハーブソルト等の調味料、お菓子などが考案されています。